【薬剤師監修】妊娠の可能性を高める方法はある?|正しい性交渉の頻度とタイミングを解説

薬剤師 村上亮太

薬剤師 村上亮太

 

1986年生まれ・千葉県出身。薬剤師。2009年東邦大学薬学部卒業、薬剤師免許取得。大手医薬品商社の勤務を経て、東京都特別区職員として保健衛生行政に従事。 2019年株式会社丸鈴薬局取締役に就任。薬剤師の独立支援、コンサルティングにも定評。

こんにちは、丸鈴薬局の薬剤師(@marusuzu_ph)です。

「妊活中だけれど、なかなかうまくいかない…」「何かできることはないのか知りたい」という方は少なくないと思います。

少しでも妊娠の可能性があるなら、何でも試してみたいという方もいるのではないでしょうか。

最近では妊活中の方向けにさまざまなサービスが展開されており、どれを選んだら良いのか判断が難しい場面も多いです。

そこで今回は、妊活中にできる妊娠の可能性を高める方法をご紹介します。

サプリメントなどについても触れていますので、参考にしてください。

妊娠する可能性を高めるためにできること

妊娠は望めばいつでもできるもの、というわけではありません。

妊娠が成立する確率は意外と低く、うまくタイミングが取れたとしても30歳で20%ほどと言われています。

妊娠できるかどうかは年齢だけでなく体の状態などにも左右されるので、妊娠しやすいように体の状態を整えることが大切です。

自分の体のことを知り、健康な生活習慣を心がけよう

妊娠の確率を高めるためには、まずは体の状態を知ることが大切です。

妊活中の方はまず基礎体温を測る習慣を身につけましょう。

生理不順がないかをチェックしたり、排卵のタイミングを把握したりすることができます。

タイミングを取るのに役立つことはもちろん、もしも婦人科疾患が疑われる際に、体の状態を知るための大事な情報となります。

太り過ぎの方や痩せ過ぎの方は、そうでない人に比べて妊娠しにくくなると言われています。

また、喫煙やカフェインの大量摂取、ストレスなどについても妊娠の可能性を下げることが示唆されています。

生活習慣を整えて健康な体を保つことが大事だと言えるでしょう。

性交渉のタイミングを取るなら「排卵日の2日前」

妊娠するために、多くの人はまず性交渉のタイミングを取ることを意識するのではないかと思います。

タイミングというと、排卵日当日を思い浮かべるかもしれませんが、実は違うことをご存知でしょうか?

性交渉のタイミングを取るのに良いとされているのは、排卵日の2日前から排卵日当日。

なぜなら、卵子は排卵してから十数時間の間にしか受精できないのに対し、精子は72時間ほどの寿命があると言われているからです。

排卵されるより先に、精子が卵管に到達して待てるような状態を作れればベストです。

排卵日を正確に知るためには、排卵日検査薬を使う方法もあります。

排卵日がわかれば次回の生理開始日も把握できますので、生理不順の方の対策としてもおすすめです。

タイミングを逃しにくい性交渉の頻度は週2〜3回

排卵のタイミングだけ性交渉をすれば良いかというと、そういうわけでもありません。

性交渉の頻度は多い方が、排卵のタイミングはずれにくいです。

ただし、増やしたからといって必ずしも妊娠するわけではないので、夫婦で生活パターンなどをみながら検討してみると良いでしょう。

もし、性交渉の頻度が少なくて妊娠しないようであれば、回数を増やして様子を見るのも一つの方法です。

妊娠率には年齢が大きく影響する

ライフスタイルや社会環境の変化により晩婚化と晩産化が進行し、高齢出産は増加傾向にあります。

出生時の母親の平均年齢は、2015年では、第1子で30.7歳、第2子で32.5歳、第3子が33.5歳でしたが、30年前(1985年)と比較すると第1子で4.0歳、第2子で3.4歳、第3子で2.1歳、それぞれ上昇しています[*4]。

このように出産時の年齢は年を追うごとに高くなっていますが、年齢と妊娠率にはどんな関係があるのでしょうか。

妊娠する力は35歳前後から急激に低下する

女性は30歳を過ぎると自然に妊娠する可能性が徐々に低下し始め、およそ35歳を過ぎると急激に低下すると言われています[*5]。

これは加齢とともに、卵子も歳をとるからです。卵子が老化すると妊娠する力は下がります。

また、年齢が上がるにつれて不妊の頻度は上がります。

25歳~29歳では8.9%、30~34歳では14.6%、35~39歳21.9%、40~44歳では28.9%が不妊であるという報告[*6]もあります。

なお、男性も年齢を重ねると、精子の数や運動率が低下することがわかっています。

早めに夫婦で検査を受けよう

タイミングをとってみても、なかなか妊娠しないな…と感じたときは、早めに夫婦で病院へ行って検査を受けてみることをおすすめします。

不妊の定義は一般的に、避妊せずに性交渉をしても12ヶ月以上妊娠しない場合とされていますが、年齢等によっては早めに不妊治療を行った方が良い場合もあります。

不妊の原因は、男性と女性のどちらかにある場合、両方にある場合、そして原因がわからない場合に分けられます。

どちらに原因があるかは検査してみないとわからないので、夫婦で病院へ行くことが大切です。

原因が見つかれば、治療によって妊娠が望めることもあります。

自己判断で受診を後回しにしていると、治療が遅れて妊娠の可能性がさらに低くなってしまうこともあります。

妊娠の確率を高めるためにもおかしいなと思ったら早めに病院で検査を受けてみましょう。

不妊症のおもな原因

女性側の不妊原因

女性側の原因としては

  • 排卵がうまくいかない排卵障害
  • 卵管がふさがるなどして卵管に卵子がうまく取り込まれなくなるケース
  • 子宮筋腫や子宮内膜ポリープ
  • 先天奇形などで着床しづらい子宮環境であるケース
  • 子宮頸管炎などの頸管に問題があり精子が子宮内にたどり着きにくいケース
  • 精子を異物として攻撃してしまう抗精子抗体を産生している

などなどさまざまな事象が考えられています。

また、検査をしても明らかな原因が見つからない場合もあります。

男性側の不妊原因

男性側の原因としては、射精がうまくいかない性機能障害と、精子の数や運動率が悪く受精しづらいケース、無精子症が考えられます。

不妊の期間が続いていたら、「いつ受診すればいいの?」で紹介した期間を目安に、男性、女性ともに、不妊原因の有無を医療機関で診てもらいましょう。

原因が特定できれば、その原因に合わせた治療ができる場合もあります。

また、高度な不妊治療へとステップアップすべきなのかなど、妊娠するための方法を夫婦2人でよく話し合うことも大切です。

近くの産婦人科で診てもらえる場合もありますし、どの医療機関が良いのか決めかねる場合は、まず不妊専門相談センターに相談してみる方法もあります。

不妊専門相談センターは、各自治体が設置していて、不妊に悩む夫婦が、専門的な事柄や心の悩みなどについて医師・助産師等の専門家に相談したり、診療機関ごとの不妊治療の実施状況などに関する情報提供を受けることができます。

漢方や鍼灸、妊活サプリメントは効果ある?

妊娠に効果的な漢方や鍼灸による治療、サプリメントなどの広告を見かけたことがある方もいるかと思います。

しかし、漢方やサプリメントによって妊娠の可能性が高まるかというと、一概には言えません。

卵管狭窄や精索静脈瘤など、明らかに身体に器質的な問題がある場合は、その治療をしないと妊娠をすることはできません。

漢方や鍼灸、サプリメントなどでは治すことができないので、病院での専門的な治療が必要です。

漢方やサプリメントは、体の調子を整えるサポート程度のものと捉えておいた方が良いでしょう。

中には、高額な費用を取る店舗などもあります。

妊娠したいという気持ちはわかりますが、効果のわからない製品などにやみくもに手を出すことは避けるようにしましょう。

葉酸の摂取は妊娠の可能性を上げる?

妊活中の人にすすめられるサプリメントとして、葉酸のことを聞いたことはありませんか?

葉酸は、妊娠前から積極的にとりたい栄養成分として厚生労働省も啓発していて、食べ物からだけでは不十分なのでサプリメントの使用も推奨されています。

しかし、葉酸の効果は妊娠の可能性を高めるためのものではありません。妊娠前から妊娠中にかけて摂取していると、胎児の病気(神経管閉鎖障害)のリスクを減らす効果があるからなのです。

妊娠してから摂取するよりも、妊娠前からの方が良いとされているため、妊活中に葉酸サプリメントがすすめられています。

妊活中の方は、いつ妊娠しても良いように葉酸サプリメントの摂取を心がけると良いでしょう。

▼参考:おすすめの葉酸サプリについてはこちらの記事で詳しく紹介しています。

妊娠の可能性を高める方法についてのまとめ

「これをすれば必ず妊娠できる」という魔法のような方法はありません。

体調を整えることやタイミングを意識すること、原因に合わせた治療を行うことなど、一般的なことをまずはきちんとやることが大切です。

妊活は1人で進めるものではありません。

性交渉のことや検査のことなど、パートナーと話し合ってすすめてみてはいかがでしょうか。

日本生殖医学会 Q18.女性の加齢は不妊症にどんな影響を与えるのですか? http://www.jsrm.or.jp/public/funinsho_qa18.html

https://www.rohto.co.jp/article/healthandbeauty/2016/0624_01/

https://woman.mynavi.jp/kosodate/articles/7196

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