【薬剤師監修】「水虫」とは?症状や種類・うつる原因・治療薬(処方薬)の使い方について解説

薬剤師 村上亮太

薬剤師 村上亮太

 

1986年生まれ・千葉県出身。薬剤師。2009年東邦大学薬学部卒業、薬剤師免許取得。大手医薬品商社の勤務を経て、東京都特別区職員として保健衛生行政に従事。 2019年株式会社丸鈴薬局取締役に就任。薬剤師の独立支援、コンサルティングにも定評。

「水虫」とは?

こんにちは、丸鈴薬局の薬剤師(@marusuzu_ph)です。

水虫とは、人間の表皮や爪の隙間から、白癬菌はが侵入し、皮膚や爪をボロボロにしてしまう病気です。

本来、人間の表皮や爪は人間の外気の気温や刺激から守る作用がありますが、皮膚を栄養分として増殖する白癬菌によってボロボロになり重篤な感染症の危険があがります。

加えて、足の強烈な痒みや痛み、膿なども発生し、精神的にも苦痛な病気です。今回はそんな水虫の症状とその処方薬や治療法に関してわかりやすく紹介します。

薬剤師が水虫について詳しく解説します!

「水虫」の症状

水虫は空気感染する理由ではありません。湿った水に存在し、高温多湿で白癬菌を持っている人が使用しているバスマットやタオルを使用することで感染します。

しかし、そのまま増殖するとは限りません。長時間足を洗わないと言った、高温多湿と白癬菌がいる環境になって初めて水虫の症状が発生します。

足水虫の場合は、強烈な痒み、皮膚がもろくなることによって、歩くたびに出てくる足の不快感が大きな特徴です。重症になると、もろくなった皮膚の部位から傷や膿に悩まされることになります。

精神面では、集中力の低下やイライラの原因不眠症の原因になります。できる部位によって症状が異なりぞれぞれの症状にあった治療が重要です。

爪水虫は爪にできる水虫で進行が遅いものの、悪化すると完治がしにくく再発しやすい水虫になります。

足水虫について

人間の皮膚の表皮を中心に白癬菌が増殖することによって、皮膚の痒みや出血、膿が発生する症状が足水虫です。発生する部位の種類によって、趾間型、小水疱型、角質増殖型の三種類に分類されます。

趾間型は足の指と指の間に増殖が認められ、表皮が白くなりボロボロと剥けて剥がれていくのが特徴です。表皮が薄い部位のため、出血や膿ができやすいのも特徴。痒みが酷く、ストッキングを履いている女性にも多い水虫です。

小水疱型は、土踏まずや足の縁を中心に、小さな水ぶくれができるのが特徴。土踏まずの広範囲に、症状が出るため、痒みが強いのと、革靴を履いている男性に多いのも水虫です。

この2つの型は、汗が書きやすい夏場に症状が発生し、冬に落ちつくものの、再発率が高いのが大きな特徴です。

角質型の場合は、足の裏の広範囲の皮膚にヒビが入るのが特徴。どんどん角質が向けるため、足で体を支える際の衝撃を緩和することが出来ないため、ひどくなると歩くのがキツくなります。この水虫は乾燥が目立つ冬に発症しやすいのが大きな特徴です。

この様に足水虫にも季節とできる部位によって種類が異なります。また人によっては複数の水虫が発生することもあるのが大きな特徴です。

爪水虫について

爪水虫とは、爪に白癬菌が繁殖することで、本来の爪の形状や色が変化し爪がボロボロになる症状です。透明な爪が白く濁り、触るだけでポロポロと崩れていくのが大きな特徴です。

爪に白癬菌が住み着くので、爪の厚みが増し、本来の爪のタンパクを餌とするため層がスカスカの状態にしてしまいます。

爪水虫は、初期は爪の形状の変化や色のみで、足水虫の様な不快な症状が表面に出ることがなく進行が遅いのが大きな特徴です。しかし、爪水虫は一旦症状ができると完治がしにくく、加えて爪の変形によって靴が履けなくなることも多い水虫です。

加えて、爪から爪の下にある皮膚を通じて感染し、足水虫の原因になることもあります。そして、爪自体が薬剤を塗布しても浸透が悪いため、治療に時間がかかるのも大きな特徴です。

「水虫」の治療

ここからは「水虫」の治療について解説していきます。

「水虫」の外用剤(塗り薬)

水虫の治療には主に塗り薬を使用して、水虫に侵されている患部から、皮膚絵増殖している白癬菌を駆除することを目的としています。それぞれの薬剤には特徴やどの水虫に効果があるのか特徴があります。

塗り薬の特徴を知ることは、大きな長所を最大限に活かしてより早く根治につながります。どんなに良い薬でも、用法や容量使い方をしっかり守ることは忘れないでください。

また塗り方に関する注意点は下にまとめているので、正しい塗り方を知って水虫の根治につながれば幸いです。

クレナフィン爪外用液

有効成分:エフィナコナゾール

白癬菌の細胞膜の特定の成分であるエルゴステロールの合成を遮断することで、菌の増殖スピードを抑え、元ある菌をやっつける働きを持っています。そのため、塗布した患部にある白癬菌をやっつけた後、患部の再生を促す薬剤ではありません。

この薬は爪水虫に使用される薬剤です。なので、皮膚には塗らないようにすることがとても大切な薬剤になります。人間の皮膚と爪は、薬剤の刺激に対する耐性が異なるので、爪に塗る薬剤は基本少し刺激の強いものになるので、皮膚には塗らないようにすることが大切です。

また、爪の薬剤は浸透が遅いので根気強く塗布することが大切です。

ルリコン液 / ルコナック爪外用液

有効成分:ルリコナゾール

ルリコナゾールの特徴は先程紹介した、エフィナコナゾールの薬剤同様、エルゴステロールの合成を阻害します。菌をやっつけるメカニズムは同じですが、塗布して良い患部と適応症例が異なります。

一般的にルリコン液は足や体部の白癬に、ルコナック爪外用液は爪白癬に使用します。

適応症例は、白癬菌に侵された患部なので足水虫全般、カンジダ症という皮膚に塗布して使用します。

アスタット軟膏

有効成分:ラノコナゾール

アスタット軟膏は、皮膚に住んでいる真菌全般の、細胞膜の合成を阻害することで菌をやっつけることができる薬剤になります。水虫の原因は白癬菌が主な原因菌と言われていますが、実は、他のカビの菌が増殖していることもあります。

白癬菌によってボロボロになった皮膚に、別のカビによって症状が悪化している場合は全般の菌をやっつける必要があるのです。そのため、ラノコナゾールは広範囲の菌を一度にやっつけることを目的としています

また、菌全般の病気に適応があり、足水虫やカンジダ症、なまずといった皮膚が菌に侵されることで起こる疾患に適応があります。

ゼフナートクリーム

有効成分:リラナフタート

リラナフタートは真菌の細胞合成を阻害することで、皮膚に存在する菌を殺す薬剤です。一番水虫に特化した治療薬剤になります。

爪水虫、足水虫、患部に関係なく水虫に対して使用される薬剤になります。他にも、いんきんやタムシと言った症状にも効果がある薬剤です。

外用剤の塗り方

外用薬を活かすにはちゃんとした塗り方を守ることが大切です。今回はその外用薬の塗り方のポイントを解説します。

  1. 患部を清潔にする
  2. 足や患部の水分をシッカリ拭き取る
  3. 容量や分量を守る
  4. 見える患部だけではなく、足全体に塗る

水虫になる菌が快適に増殖しやすい環境で薬剤を塗っても効果はありません。汗や皮脂があるとその分餌がたくさんある状態なので、まずは綺麗に洗って落とすことが大切になります

次に、市販されている薬剤には最大の効果が発揮できるように濃度と成分は配合されています。ところが、水分が残っているのと、塗った際に薬剤が薄まってしまいます。水分をしっかり拭き取ることもとても大切です。足を洗ったらタオルで拭いて、乾燥させてから塗ることをおすすめします。

水虫薬は塗布する一日あたりの目安量が決まっています。この目安量をしっかり守ることも大切です。多く塗っても一気に原因になる菌を殺すわけでもありません。一日で全ての菌を駆除することは出来ないので、根気強く毎日塗ることが大切な薬剤です。

分量がわかりにくい場合は、医師に指のどれくらいの量を塗るべきか、薬剤師に確認することが大切です。人差し指の第一関節ぐらいと言いますが、指の大きさは人によって違うので遠慮なく聞きましょう。

最後に水虫の薬剤は基本的に、炎症が起こっている患部のみ塗ってしまう方が多くいます。これは大きな間違いです。水虫の菌は足の裏全体に潜んでいます。そのため、原因になる菌やカビをやっつけるには足全体を塗る必要があります。足全体に薬剤を塗布することで症状が出ていない部位にいる白癬菌もやっつけることが根治に繋がります。水虫でぶり返してしまう一番の原因がこの患部にしっかりと薬剤を全体に塗布していないことなのです。

薬剤は適量と適切な場所に塗布を毎日継続して行うことではじめてその効果を発揮することが出来ます。逆に、何度も再発する、塗っても効果ない場合はこの4つが守れていない可能性が高いです。何気なくやらなくていいという習慣が治療の妨げになっているかも知れないのです。

「爪水虫」の内服薬

人間の皮膚と爪は大きく異なり、皮膚は外皮からの薬剤浸透性は良いですが、爪に関しては外用薬では十分な結果が出ないこともあります。

そのため、外用薬だけではなくて、内服薬を使用して体の内部からアプローチして、爪水虫をやっつけることを目的としています。水虫は重症化すると、体の血液中に真菌が侵入し体のあちこちに散ってしまいます。

体内は外皮よりも快適な環境のため、これ以上の増殖を防ぎ、体の内部からの有効成分で菌をやっつけることをメインとしているのです。

イトラコナゾール(イトリゾールカプセル50など)

イトラコナゾールは、飲むことで水虫の原因になっている真菌の細胞膜の合成に必要な酵素の働きを阻害することを目的とした薬剤になります。塗布する薬剤と真菌を殺すメカニズムは同じですが、体の代謝を考えて有効成分が体の中で作用する濃度になるようにした薬剤です。

爪水虫に一番処方されることが多い飲み薬です。実際には、足水虫の重症化した症状や、両方発症している人にも処方されることが多い薬剤です。

爪水虫で、パルス療法と呼ばれる方法の場合は、一日200mgを飲み薬で指定数の錠剤一日二回摂取して、一週間の服薬と3週間の休薬を繰り返すことで患部の治療を行います。休薬がある理由は、飲み続けると人間の本来の免疫の働きが落ちてしまうので、人間の免疫の働きは損なわず、患部の白癬菌をやっつけるのが大きな目的です。

足水虫の場合は、50mg~100mgの成分の錠剤を飲んで患部の様子を見ながら減薬をする治療法とは異なるので、医師の指示には絶対従うことが大切になります。

注意点は、飲み薬のためうっかり飲み忘れてしまうことがありますが、二倍量を飲んではいけません。薬剤の成分が血中濃度よりも濃くなってしまうと、体に薬剤の副作用が出やすいので注意が必要です。

テルビナフィン(ラミシールなど)

真菌に存在する細胞膜の合成を阻害することで、目的の菌を殺すことを目的としている薬剤です。外用薬の塩酸テルビナフィンは水虫全般や皮膚カンジダ症でも使用される、馴染み成分と成っています。

成人の場合は、一日一回食後に飲むことで、十分水虫の治療ができる薬剤になります。年齢によって他の薬剤との併用によって、分量が変化しますが、一日一回一錠には変化ありません。

真菌を殺す薬剤として強力なため、飲み忘れた場合は一回飛ばし、ペースを守ることが大切です

「水虫」になった場合の注意点について

水虫になった場合は、家族や物の共有に関して注意が必要です。家族の中に一人水虫になった人がいると感染のリスクがぐっと上がる理由は、水虫の原因菌の白癬菌が付着したタオルやバスマットなどの共有が大きな原因になります。

  • 水虫になった部位はやさしく丁寧に洗い、しっかりと乾かす
  • 水虫になった人のタオルやバスマット、スリッパを共有しない
  • 靴下等の物はなるべく洗う前に放置せずすぐに洗う
  • 革靴などの着用は避けて、通気性のいい靴を選ぶ

これらのことがとても大切です。

24時間に渡って水虫の原因になる白癬菌含む菌が足に付着することがなければ、水虫になることはありません。なので、しっかりとお風呂に入れば水虫にはなりません。

シャワーやお風呂では上がる際に、必ずお湯で流すことで予防することができるので、家族に伝染るなど必要以上に神経質になる必要はないのです。

水虫になってしまったらまず考えるべきはまめに靴下を変え、汗の吸収が良いもの、発汗性がよい素材の物を選ぶことです。白癬菌含めた菌類は高温多湿が大好物です。

そのため、まずは、靴を履いている際の靴の中の湿度を下げるだけでも、大きな効果があります。また、毎日同じ靴を履いていると靴の中が蒸れやすくなるので、一日ごとに靴の交換をするのもおすすめです。湿気が籠もらないだけでも、かなりの予防になります。

塗り薬、服用する薬剤は非常に強力な薬剤です。そのため、処方量を守らなかったりすると、皮膚のただれや炎症の原因になります。飲み薬の場合も、多く飲むと胃炎等の副作用になるので注意が必要です。

凄い痒みや足の不快感は、一回で簡単に治らないのが水虫です。根気強く長期戦であることを踏まえて、悪化しにくい生活習慣を取り入れることが非常に大切です。

水虫の市販薬についてはこちらの記事で詳しく解説しています

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