【薬剤師監修】ニキビの原因と治療・処方薬について(外用剤・内服薬)|おすすめの塗り方は?

薬剤師 村上亮太

薬剤師 村上亮太

 

1986年生まれ・千葉県出身。薬剤師。2009年東邦大学薬学部卒業、薬剤師免許取得。大手医薬品商社の勤務を経て、東京都特別区職員として保健衛生行政に従事。 2019年株式会社丸鈴薬局取締役に就任。薬剤師の独立支援、コンサルティングにも定評。

ニキビは何故できる?

こんにちは、丸鈴薬局の薬剤師(@marusuzu_ph)です。

脂ぎった肌にできるニキビは顔に出来ると第一印象を悪くしてしまいますよね。特に、たくさんのニキビや大きなニキビが出来てしまうと、顔を見せることを嫌がり、自分のコンプレックスになってしまう人も少なくありません。

男性の場合はニキビが大きく重症化しやすい、女性の場合は、ホルモンバランスによってニキビができやすいと言った情報もありますが、年齢によっても対処法が異なるのもニキビの対策の重要な点です。

またニキビには種類があり、毛穴に皮脂が詰まった白ニキビ、その油が酸化して黒っぽくなる黒ニキビ、皮脂内で細菌が増殖し炎症を起こす赤ニキビ、最終的に膿が出来てしまって陥没等の跡の原因になる黄ニキビがあります。

今回は、ニキビは何故できるのか?その正しい対処法に関してわかりやすく解説します。

思春期ニキビの原因について

まずは思春期ニキビの原因について確認していきましょう。

①ホルモン

思春期になるとニキビができる一番の原因はホルモンバランスの乱れです。二次性徴に差し掛かった男女はそれぞれ大人の体になるために、男性の場合はテストステロン、女性の場合はエストロゲンとプロゲステロンの分泌が始まります。このホルモン分泌によって、今までよりも皮脂の分泌量が増えることで、ニキビ発生の原因になります。

男性に多く分泌されるテストステロンが酵素分解によってできるのが、ジヒドロテストステロンです。テストステロン自体には、ニキビを発生させる要因はありませんが、このジヒドロテストステロンは、皮脂の分泌量を著しく増やします。

特に、思春期に当たる10代後半は、このテストステロンの分泌量が増えると同時に、分解物であるジヒドロテストステロンの量も増加します。その結果、男性のニキビ発生の原因になります。

女性の場合は、主にプロゲステロンが原因です。プロゲステロンの働きは、受精卵を育てるために多くの水分含めた栄養分を溜め込む働きがあります。加えて、皮脂の分泌も盛んにするため、ニキビができやすくなります。

男性ニキビの場合はテストステロンが安定的に分泌されるため、短期間でのニキビができる量に変化がないのが特徴です。女性の場合は、プロゲステロンの分泌時期に多くできて、月経が終わるとニキビができる個数に変化が出ます。

何れにせよ、ニキビが出来ている原因である皮脂の分泌量を減らすのが、ニキビを治す大切な点です。

②アトピー

アトピー体質の人はニキビができやすい体質です。一見関係ないような肌荒れの原因に見えます。しかし、アトピー体質の人は、人間の肌にある水分を保持する機能が劣っていることが大きなニキビができやすい要因です。

水分保持する機能が無いことで、人間の肌は乾燥から肌を守ろうとします。人間の肌で感想を守るために、人間の肌の皮脂は分泌されます。皮脂の役割は、脂のコーティングを肌に施すことで、肌の下にある水分を蒸発させないように蓋をするのが大きな役割になります。

この蓋をするために人間の体が分泌した皮脂が過剰にあることで、毛穴がつまりニキビが出来てしまいます。

アトピー体質がある人は、乾燥肌のケアもしっかり行うことが大切です。

大人ニキビの原因について

大人ニキビの原因は思春期と発生理由が異なります。主に生活習慣による、ホルモンバランスの乱れや不規則な生活に起因するものがメインです。治療と共に、原因になっている要因を取り除くことが急務になります。

①ストレス

ストレスは、人間の皮脂の分泌や食習慣や睡眠の質を悪化させ、ニキビができやすい状態を作り上げてしまいます。

ストレスがあり食べることで発散している場合は、暴飲暴食となり、過剰に摂取しすぎた皮脂を消費することが出来ず、皮脂への分泌されるようになります。

また、睡眠不足があることで、本来元気な肌が作られることがなくなり、肌荒れの原因になります。肌が荒れ、肌の水分の蒸発が激しくなると、皮脂の分泌が増える悪循環となり、毛穴が詰まるようになります。その結果肌荒れからのニキビの原因になります。

更に、慢性的な睡眠不足を続くことで、体内時計が狂います。その結果、ホルモンの分泌のバランスが崩れて、ニキビができやすくなります。女性の場合はエストロゲンの分泌が悪くなれば肌の新陳代謝の悪化、プロゲステロンの過剰分泌になれば、皮脂の分泌が増えることになるので、思春期よりも酷いニキビに悩まされるケースも少なくありません。

②化粧

化粧もニキビができる原因になります。男性でも気をつけて欲しいのは日焼け止めです。日焼け止めは、UVケアをする重要なアイテムですが、その有効成分は親油性の性質を持っている、もしくはクリームの形態をしています。

そのため、塗り過ぎと塗った後洗顔をして、成分を落とさないのは酸化した油脂が毛穴に詰まるのと同じになるので、ニキビの原因になります。

また、酸化した油分が肌に残っているとニキビの原因になります。特に、化粧をして洗い落とさないというのは、酸化した皮脂が顔に残っている状態となるため、黒ニキビの原因になります。

化粧品のファンデーションやアイシャドウは油分が使用されています。化粧落としで落とさないということは、これらの油分が毛穴につまるため、ニキビ発生の原因になるのです。

使用している化粧筆やパフも汚れている場合は、皮脂についているニキビの原因菌と酸化している皮脂を塗りたくっていることになります。そのため、綺麗な箇所でもニキビが出来てしまいます。皮膚の毛穴も道具も常に清潔にするのが重要なポイントです。

ニキビの治療方法の種類

ニキビにの治療方法は、保険治療と自費治療があります。

ニキビの保険治療

保険治療の場合は、白ニキビの後、アクネ菌等が繁殖して、赤ニキビや黄ニキビが出来てしまっている状態を改善する薬剤を処方し、治す治療法です。

医師の元薬剤を使用するため、肌の症状にあった薬剤を塗布しつつ、生活習慣等の改善を行っていきます。実際に使用する薬剤は下記で紹介します。

ニキビの自費治療

自費治療は主に、ニキビが出来てしまった後の肌の陥没や後をレーザー等で処置をすることで、綺麗な肌を取り戻す方法で、美容整形に近い分野となります。

CO2レーザー照射や、下に紹介するケミカルピーリングが代表的なニキビの自費治療となります。

ケミカルピーリングとは?

ケミカルピーリングとは、人間の肌の古い角質を取り除くことで、肌の新陳代謝を促進させる方法です。ニキビができやすい環境は、古い角質にある毛穴に皮脂がつまり、酸化している状態です。

ケミカルピーリングによって、毛穴と皮脂を取り除き、ニキビ発生の原因になる酸化した皮脂と無くすことを目的としています。

最近は市販で自然の有効成分を使用した肌に優しい商品も出ています。もし、市販の商品で肌の角質を落とす成分を肌に塗って角質を落とします。そのため、肌が敏感肌の人は顔以外の部位でパッチテストを行うようにしてください。

自費治療の場合は医師が使用できる濃度の肌に優しい薬剤を使用し、肌の状態に合わせて治療を行っていきます。そのため、ピーリングで取り除く角質の厚みも違います。医院によって特色があるので、気兼ねなく相談することが大切です。

ニキビ治療の処方薬について(保険治療)

ここでは病院(皮膚科)でニキビ治療を行った場合、どのような薬剤が処方され、どんな効果があるのか、どういった人向きむきなのか?を外用剤・内服薬それぞれについて解説します。

ニキビ治療の外用剤について(処方薬)

まずはニキビ治療の代表的な外用剤について紹介していきます。塗り方や塗布量についても参考に記載していますが、必ず医師の指示に従って使用してください。

ディフェリンゲル(アダパレン)

この治療薬はニキビの中でも毛穴に皮脂が詰まった段階の白ニキビから、酸化した皮脂の黒ニキビ、その先のアクネ菌等の炎症が発生している赤ニキビまでを治療することができる薬です。

角質が毛穴を塞ぐリスクを減らすことで、ニキビができにくい状態にすることを目的としている薬です。

ディフェリンゲルの塗り方

1日1回、洗顔後に塗ります。目に見えないニキビの始まり部分を意識して、ニキビのまわりに広げるように塗るのがおすすめです。刺激に慣れてきたら、人差し指の先から第一関節までの長さの量を顔全体に塗ることを目指しましょう。

ベピオゲル(過酸化ベンゾイル)

この薬は使用することで、ニキビの原因になる菌をやっつける効果があり、加えて角質を柔らかくして毛穴を拡げる働きがあります。

ベピオゲルの塗り方

1日1回、洗顔後に塗ります。人差し指の先から第一関節までの長さの量を顔全体に塗ることを意識しましょう。

指にとった薬を、①左額、②右額、③左ほほ、④右ほほ、⑤鼻、⑥あごの6箇所に置き、まんべんなく顔全体に広げるように塗ります。

エピデュオゲル(アダパレン+過酸化ベンゾイル)

上記に紹介したアダパレン+過酸化ベンゾイルが両方配合された薬剤で、赤い炎症性のニキビに使用される薬剤です。ニキビの菌を殺し、ニキビができにくい肌を作り上げるまでを一本でカバーする強力な塗り薬です。

エピデュオゲルの塗り方

1日1回、洗顔後に塗ります。本剤を少量(人差し指の先端から1つ目の関節までの長さ(約0.5g))、チューブから指先にとり、他の指を使ってこすらずに薄く塗り拡げます。

塗る面積は徐々に拡げていきます。初日はニキビを中心に直径2cm以下の面積にとどめ、1日ごとに直径1cmずつ塗る面積を拡げていきます 。ニキビが顔全体にある方は、刺激に注意しながら数日かけて顔全体に拡げていきます。

デュアック配合ゲル(過酸化ベンゾイル+クリンダマイシン)

デュアックに使用されている薬剤の過酸化ベンゾイルでは細菌が生きていくていくために必要な成分を壊します。対してクリンダマイシンは細菌が増えるために必要な。タンパクの合成を阻害します。このため、赤ニキビや黄ニキビの治療メインに使用し、ニキビ内にいる炎症を引き起こす菌をやっつける薬剤です。

デュアック配合ゲルの塗り方

1日1回、適量をニキビとその周辺に広げるように塗ります。塗布部位・塗布量は、医師の指示に従ってください。人差し指の先端から第一関節の長さが、顔の半分に塗る量(約0.3g)に相当します。

ニキビ治療の内服薬について(処方薬)

抗生物質(ビブラマイシン、ロキシスロマイシンなど)

ニキビ治療薬で使用される抗生物質は、体内の中に存在するニキビの原因菌をやっつけるために服用されます。特に赤ニキビや黄ニキビが出来ている場合は、皮脂腺から菌の増殖及び、膿が出来ている状態のため体の中から、菌をやっつける成分を服用する必要があります。

漢方薬について(十味敗毒湯、加味逍遥散など)

漢方薬でニキビ治療に向く理由は、漢方の考えで陰と陽のバランスが良くなって初めて、人間の気のバランスを良くすることで、症状を緩和するという事を目的としています。ニキビの場合は、肌の表面が水の気に支配されている状態のため、この偏りを体質から改善していくことを目的としています。

十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)

十味敗毒湯(ジュウミハイドクトウ)は、人間の皮膚の膿と言った症状がある時に効果がある漢方薬です。人間の皮膚の炎症で陰の怪我偏っている状態を、体内の老廃物の排出を良くすることで、皮脂の過剰分泌や水分バランスを整えることで改善する効果があります。

加味逍遥散(カミショウヨウサン)

加味逍遥散(カミショウヨウサン)は、血流を良くし、ホルモンバランスを整える効果がある漢方薬です。特にホルモンバランスの乱れやストレスによる体調不調がある場合に服用される漢方薬です。

男性でも肩こりや不眠症、冷え性といった症状がある人、女性の場合は、生理痛やPMSといった症状がある人に処方されます。ニキビのできやすさはホルモンバランスに起因していることが多いため、他の体の不調を踏まえて処方されることが多い漢方薬です。

ビタミン剤について(ビタミンB2・B6・Cなど)

人間の肌を作る栄養分が不足している場合もニキビはできやすくなる原因になります。そこれ使用されるのがビタミン剤です。

ビタミンB2(FAD腸溶錠など)

FAD腸溶錠は、人間の肌の細胞合成を助けるビタミンB2を配合しているビタミン剤です。肌荒れの原因がダイエットによる急激な食事制限等で、摂取が不足している場合などに早急に処方されます。特に、肌の木目が悪い場合処方されるビタミン剤です。

ビタミンB6(ピリドキサールなど)

ピリドキサール(ビタミンB6)は人間が食べた食べ物から脂質代謝に関わるビタミンで、脂質代謝が活発になることで皮脂の分泌を減らすことが出来ます。また、脳内物質であるセロトニンやドーパミンを合成することを助けるので、睡眠の質が上がり肌の新陳代謝を良くする土台を作ることが出来ます。

ビタミンC(シナールなど)

ビタミンCは人間の肌のコラーゲンの合成や肌細胞の分裂促進を助ける美肌ビタミンと言われています。このビタミンもストレスや活性酸素が多い状況の場合、不足がちなビタミンです。ニキビが出来ている状態の場合、肌細胞分裂やコラーゲン合成等がうまく行っていないため、ターンオーバーを整えるために処方されます。

ニキビ治療の市販薬について

市販薬にも、ニキビに対して治療する有効成分が含まれた薬剤が手軽に手に入ります。もし購入をする場合には注意点が必要です。

  1. 市販薬の有効成分の多さ、含有量を確認
  2. 使用する用途や分量、塗布のタイミングを守る
  3. 必ずパッチテストを行う

市販薬を購入した場合は、まず確認すべきはニキビに効果がある成分がどの様な成分か、含有量を確認する必要があります。

※参考:おすすめのニキビ市販薬についてはこちらの記事で詳しく解説しています

また、その成分がニキビにいる菌に作用するのか、毛穴に作用してニキビをできにくくするのか効果を確認することが大切です。抗菌成分が入っていない薬剤を使用しても赤ニキビや黄ニキビは治すことは難しいです。

次に、使用する用途や分量、塗るタイミングは必ず守ってください。タイミングを守らない場合は肌荒れの原因になります。

そして、初めて使用する薬剤は、必ずニキビがない箇所でしっかり様子を観ることこれが重要です。ベトベトするから、患部を触らないで済む夜に塗るとか自分が塗る、使用するタイミングを決める目安になります。また異常がある場合は、使用しないで肌のニキビの症状の悪化を防ぐことが出来ます。

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